ブログに戻る
tutorial

MCP + Claudeで日本の財務データと対話する

Onkar Dahale

毎回スクリプトを書きたいわけではありません。「キーエンスの5年間の売上CAGRは?」「トヨタ・ホンダ・日産を並べて比較」と聞いて、答えが返ってくればいい。

MCPを使えばそれができます。Claude DesktopにAxioraのAPIを直接接続 — 19のツールで財務データ、スクリーニング、ランキング、成長率、健全性スコア、有報の英訳にアクセスできます。日本語でも英語でも質問するだけ。

セットアップは3分。SDK不要、Python不要、コード一切不要。

MCPとは

Model Context Protocol(MCP)はAIアシスタントが外部ツールを呼び出すためのオープン標準です。チャットにデータを貼り付ける代わりに、Claudeがデータソースに直接接続して必要な情報を取得します。

Axiora MCPサーバーは19のツールを公開:

ツール機能
search_companies企業名(日/英)、証券コード、EDINETコードで検索
search_companies_batch複数企業を一括検索(コードと名前の混在OK)
get_company企業詳細 — セクター、上場区分、決算期
get_financials売上高、純利益、資産、自己資本、各種比率 — 最大20年分
get_growth前年比成長率、3/5年CAGR
get_ranking任意の指標でランキング(ROE、売上高、利益率など)
screen_companiesセクター、最小売上高、最小ROE、最大PERでフィルタ
compare_companies2〜5社の財務データを並列比較
get_peersセクター・売上規模が近い類似企業を検索
get_health_score財務健全性スコア(0〜100)、構成要素の内訳付き
get_health_ranking健全性スコアでランキング
get_timeseriesチャート用の時系列データ
get_sector_overviewセクター別の統計と企業数
search_translations有報の英訳を全文検索
get_translations特定の提出書類の翻訳セクションを取得
list_filings企業・種別・日付で提出書類を一覧
get_filing_calendar月別の提出件数カレンダー
get_coverageデータカバレッジ統計 — 総数、指標別対応率、鮮度
get_documentationAPIドキュメント、指標定義、使い方ガイド

get_documentationは地味に重要です。Claudeが初回接続時にこれを呼び出して、どのツールがあるか、各指標の定義、ツールの使い分けを自力で学習します。サーバーが自己文書化されているので、プロンプトエンジニアリングは不要。

すべてのデータは監査済みEDINET有報(XBRLパース済み)から取得。

セットアップ:3分

必要なもの:Axiora APIキー(無料、クレカ不要とClaude Desktop。

Claude Desktopの設定ファイルに以下を追加:

macOS: ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json Windows: %APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json

{
  "mcpServers": {
    "axiora": {
      "url": "https://api.axiora.dev/mcp",
      "auth": {
        "type": "bearer",
        "token": "YOUR_API_KEY"
      }
    }
  }
}

Claude Desktopを再起動。ツールピッカーにAxioraのツールが表示されます。Docker不要、ローカルサーバー不要、依存関係ゼロ。

会話例1:企業の深掘り

あなた: 「キーエンスの過去5年間の財務データを教えて」

Claudeがget_financialsを呼び出し(コード6861、years=5)、レスポンスを整形:

キーエンス (6861) — 5年間の財務データ

年度売上高純利益ROE営業利益率
20242.4兆円1.0兆円19.5%54.2%
20232.2兆円9,380億円18.3%52.8%
...

営業利益率は一貫して50%超。ROEは約19%で安定。

あなた: 「売上成長率は?」

Claudeがget_growthを呼び出し — 前年比成長率とCAGRを取得:

5年間の売上CAGR:15.2%。2020年を除き毎年増収。

コンテキストの切り替え不要。会話が自然に積み重なります。

会話例2:競合比較

あなた: 「トヨタ、ホンダ、日産の過去3年の財務データを比較して」

Claudeがcompare_companiesを呼び出し(["7203", "7267", "7201"]):

トヨタホンダ日産
2024 売上高29.9兆円16.9兆円12.7兆円
2024 純利益4.9兆円1.1兆円4,260億円
ROE15.2%10.8%5.1%

トヨタの純利益はホンダと日産の合計を上回ります。日産のROE 5.1%は収益力の課題を示唆。

あなた: 「トヨタの同業他社は?」

Claudeがget_peersを呼び出し(コード7203):

輸送用機器セクターで売上規模が近い企業:ホンダ、デンソー、スズキ、SUBARU...

会話例3:スクリーニング

あなた: 「ROE20%以上、売上高5,000億円以上の日本企業を探して」

Claudeがscreen_companiesを呼び出し(min_roe=20.0、min_revenue=500000000000):

条件に一致する企業:18社

  1. キーエンス (6861) — ROE: 19.5%、売上: 2.4兆円
  2. 東京エレクトロン (8035) — ROE: 25.3%、売上: 2.2兆円
  3. ...

あなた: 「電気機器セクターの営業利益率トップ10は?」

Claudeがget_rankingを呼び出し(metric=operating_margin、sector=電気機器):

  1. キーエンス — 54.2%
  2. レーザーテック — 44.8%
  3. ...

チャットウィンドウで複数ステップの財務分析。各回答は数秒で返ってきます。

会話例4:有報を英語で読む

あなた: 「半導体リスクに言及している有報を検索して」

Claudeがsearch_translationsを呼び出し(query=semiconductor):

東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクス、アドバンテストの有報で言及あり... 東京エレクトロンのMDAより:「半導体装置の需要は景気循環性が高く...」

あなた: 「東京エレクトロンのリスクファクター全文を見せて」

Claudeがlist_filingsでドキュメントIDを特定し、get_translationsでrisk_factorsセクションを取得:

有報のリスクファクターセクション(英訳)— サプライチェーン依存、為替リスク、地政学リスクをカバー。

日本語の有報が英語で読める。海外チームとの共有にも使えます。

うまく機能するところ

マルチステップ分析。 広い質問から始めて、深掘り。Claudeはコンテキストを覚えている — 「成長率を見せて」は直前に話していた企業を指します。

自然言語スクリーニング。 「情報・通信業でROE15%以上の企業」が自動的にscreen_companies呼び出しになります。構文を覚える必要なし。

ツール横断。 「トヨタとホンダを比較して、その後トヨタの類似企業を表示」— 複数ツールを1回のレスポンスで連鎖。

まだできないこと

リアルタイム市場データなし。 これは有報データ — 年次報告書、監査済み財務諸表。株価、時価総額、日中データはありません。

Claude Desktopでチャート描画不可。 トレンドの説明はできますが、チャット内に折れ線グラフは描画できません。可視化にはStreamlitスクリーナーやSDK + matplotlibを使ってください。

セクター名は日本語。 EDINETのセクター分類は日本語(電気機器、情報・通信業)。Claudeは日本語で質問しても正しくマッピングしますが、覚えておくと便利です。

次のステップ

無料プラン。クレカ不要。APIキーを取得 →